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日別アーカイブ: 2025年9月22日

ネクストゲートの解体日誌~10~

皆さんこんにちは!

株式会社ネクストゲート、更新担当の中西です。

 

同じ30坪の木造解体でも、A社は180万円、B社は240万円──なぜここまで差が出るのか? 答えは「分別の手間」「搬出距離」「処分単価」に、養生・仮設・近隣調整といった“壊す以外の費用”が重なった設計の差にあります。本稿は、初見では読みにくい見積書を分解図として読み解き、安易な値引き交渉よりも“段取りを変えて安くする”ための実務を、テンプレ付きで徹底解説します。📑✨

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1. 見積の骨格:5層で考える 🧱
1) 前処理費:残置物撤去・ライフライン停止・仮設電源/水道・近隣挨拶。
2) 仮設養生費:足場・防炎/防音シート・ゲート・散水設備・道路養生。
3) 本体解体費:人件費+重機稼働+アタッチメント交換。
4) 分別・搬出費:積込み・場内仮置・運搬回数(2t/4t/10t)。
5) 処分費:材質別単価(木くず/コンクリ/金属/石膏/混合)。
ワンポイント:この5層を数量×単価に落とし込めば内訳の“正体”が見えます。👀

 

2. 主要コストのドライバー 🚚
• 分別難易度:混構造、改修の重なり、石膏ボード量、断熱材の種類で大きく変動。
• 搬出距離と回数:現場から積込場/処分場までの距離、道路幅(2t分割か4t直付けか)。
• 処分単価:地域差大。特に石膏ボード、混合廃棄は単価が跳ねやすい。
• 時間帯制約:学校・病院近隣、夜間不可などで工期が伸びると人件費が増加。
• 仮設品質:防音シートの等級、負圧集じん、散水量など“静かさ”の設計はコストに直結。🔇💧

 

3. サンプル内訳(木造30坪・路地奥)📊
• 前処理・近隣挨拶:80,000
• 養生足場180㎡(防音シート付):220,000
• 本体解体(手壊し+小型バックホウ):480,000
• 積込・搬出(2t×18回):270,000
• 処分費(木くず22t、混合3t、金属0.5t):420,000
• 重機回送・諸経費:110,000
• 小計:1,580,000(税別)
同規模でも前面4m道路で4t直付け可能なら搬出回数は半減→人件費/運搬費が大幅圧縮。🚛

 

4. “含む/含まない”チェックリスト ✅
• 残置物(家電・畳・物置・庭石・金庫)
• 外構(ブロック・フェンス・土間・カーポート)
• 樹木(伐採/抜根/処分)
• 地中障害(基礎下のガラ・浄化槽・井戸・配管)
• 仮設電気/水道の手配と負担
• ライフラインの停止・撤去(ガス管/メーター)
• 近隣クレーム対応の人件費・追加仮設
• 測量・境界標の維持
→ ここが未記載だと“後から増える費用”の温床です。

 

5. 写真と数量根拠:数字は“証拠”で強くなる 📸
• 面積・体積の根拠:図面/現地採寸/レーザー距離計。
• 材質比率の仮説:木:60%、コンクリ:30%、金属:10% 等の前提を明文化。
• 搬出動線:写真+矢印で“2t縛り”の説明→施主の納得度が跳ね上がる。

 

6. 価格を下げる3つの戦略(値引きより設計)🧠💡
1) 残置物の事前整理:家電・衣類・書籍は施主手配の回収で混合廃棄を削減。
2) 搬出ウィンドウの確保:近隣に30分の一時停車合意→4t直付けの回数確保。
3) 分別の見える化:現地で材質別の仮置きゾーンを設計→積込み効率が改善。

 

7. 見積比較テンプレ 🧾
項目 A社 B社 差分/メモ
養生足場 220,000 180,000 Aは防音等級高い
本体解体 480,000 510,000 Bは重機サイズ大
搬出回数 18回 12回 Bは4t直付け可
処分費 420,000 460,000 石膏比率の前提差
諸経費 110,000 90,000
小計 1,580,000 1,540,000 仮設品質に差
判断軸は「総額の安さ」ではなく“工程と品質の整合”。静音・粉じん対策の仕様差を数字に写し取るのがコツです。🎯

 

8. トラブル事例から学ぶ ⚠️
• 石膏ボードの過小見積:実際は断熱改修で二重貼り→処分費+20万円。→現況写真+芯材確認を必須化。
• 地中障害物の想定漏れ:古井戸・浄化槽で+40万円。→契約時に単価表と判定プロセスを合意。
• “残置物少量”の曖昧表現:当日3LDK満杯→混合廃棄激増。→立会い写真+箱数/容積で定義。

 

9. まとめ ✨
見積書は現場の設計図。数字の裏にある動線・分別・仮設を読み解けば、ムリなくコストを下げ、品質を上げる打ち手が見つかります。次回は法令・許認可・届出を“止まらない段取り”の順番で整理します。📜